臨床内科では、手術を行わず主に投薬によって、腹部の疾患の治療を行います。
診療部位は内臓のほか、血液や神経なども含まれます。
また、臨床内科は腹部の中で、外科や泌尿器科、婦人科などを除く、すべての疾患に対応する診療科とも言えます。
つまり、お腹の病気で主に投薬によって治療できる疾患は、すべて臨床内科の範疇と言っていいでしょう。

たとえば、一般内科の場合は風邪やインフルエンザをはじめ、
頭痛、めまい、腹痛、下痢、嘔吐、胃腸炎、喘息、気管支炎、発疹、関節痛、アレルギー疾患など、多くの疾患が臨床内科で治療されます。
内科には一般内科のほかに、消化器内科、呼吸器内科、循環器内科、神経内科、血液内科、腎臓内科、内分泌内科などがあるので、
症状によってそれぞれ専門の内科に振り分けられます。

ただし、内科は投薬による治療が中心なので、重篤な症状で投薬による治療が困難な場合は、外科による手術に切り替えることもあります。
医学の歴史では、内科は外科よりずっと古くから行われてきた治療法です。
外科手術が盛んに行われるようになったのは、麻酔技術が確立された19世紀以降のことですから、それ以前はほとんどが内科による治療でした。

長い歴史のある、臨床内科の治療法が飛躍的に発展したのは、心電図やレントゲン、ペニシリンなどの発明発見があったからでしょう。
これらはすべて1900年代に入ってから実用化されたもので、これ以降臨床内科の診断と治療の精度は各段に向上しました。
このように、臨床内科の技術は物理学、化学、薬理学などと、密接に関連しながら発展したものです。

また、化学合成技術の進歩も、臨床内科の向上に大きく寄与しています。
当初は大量に合成できなかったペニシリンも、化学合成技術によって人工的な合成が可能となり、多くの人命を救うことができたのです。